以下はIRビューワ・カメラの代表的な用途になります。
レーザー
- 波長1.5umまでのレーザーの観察が一番多いです。レーザーパターン・アライメントを調べることができます。IRカメラであれば2200nmまで対応可能です。
光通信
- 光ファイバーバンドルの端面検査(光を透過していないファイバーの端面は暗くなっている)
電機業界
- シリコン結晶内ストレスパターンの調査、ダイオードの観察、ガスメーザーの研究、ガリウムヒ素やネオジウム・プラセオジウム関連レーザーからのコヒーレント光の観察。
農業
- 穀物内カビの検知
美術品の復元
- 美術品の修正痕・下塗りの検知、肉眼で見えない物質の検知、見た目は似ているが組成の異なる物質の判別
生物学
- 植物学、細胞学、発生学、組織学、古生物学、植物病理学、昆虫学、解剖標本の観察といった用途に有効です。IRレンジにおいて透明な有機物はキチン卵白アルブミン、ゼラチン、セルロース、樹脂、植物顔料、サンゴ骨格などになります。夜行性の動物の観察にも良いです。
植物学
- IRビューワを使って病気にかかっている植物の研究が可能です。赤外光は、生きている植物内の化学物質の識別や保護色で隠れている昆虫の発見に便利です。
細胞学・組織学・発生学
- IRビューワは組織、細胞、相貌成分の物理的・化学的解析に便利です。
科学捜査・書類解析
以下の問題でIRビューワを使うことにより調査の迅速化が期待できます。
- 摩耗や科学的漂白によって消えてしまった特定のインク痕の復元
- インク染みの浸透度検査
- 消された鉛筆痕の解読
- 消されたタイプライター痕の解読
- 修正または重ね書きの検知
- インクと紙の識別
- かすれた筆跡の復元
- 焦げた、または濡れた紙の復元
筆跡鑑定
- 黒っぽい布地上の炭、塵、その他黒っぽい粉状物質の痕跡の検査
- 黒っぽい布地を弾丸が貫通した時にどちら側から発砲されたかを判別
- 血痕や焦げた紙の上の指紋、目に見えない染みの検知
- 偽造紙幣の判別
地質学・結晶学
- 可視光レンジだと不透明だが近赤外領域(0.8-1.5um)だと透明になる多くの鉱物結晶の研究
眼科学
- 真っ暗闇で行う瞳孔の研究など多くの実験用途にIRビューワが向いています。近赤外光は角膜混濁も貫通するので、角膜移植の妥当性の判断に役立ちます。
写真業界
- コーティング・切断中のフィルムの観察、鋭敏色フィルムの取扱い、未現像フィルムの作業など。暗室内の従業員監視も。
織物業界
- 不規則性や小さいダメージを曖昧にしてしまう黒っぽい染料の浸透度の確認