波長257 - 343 nmレンジ
劣化しないUVオプティクス
メーカー
Optoman(リトアニア)
疲労の蓄積
長らくレーザーパルスを受け続けるとレーザーダメージ閾値(LIDT)が減少します。壊滅的なダメージが目立つ一方、本当に怖いのは微妙だけれど色が変化してきているケースで、破壊的な疲労の影響がある可能性があります。多くの場合、「変色」は著しく光学素子が劣化しているサインであり、レーザーシステムの性能を貶めたりダウンタイムにつながっていまいます。実際のところ、この問題は軽視されていたり無視されています。
このシナリオを想像してみてください。ある会社が標準的なミラーをウルトラファーストUVレーザー加工装置へ採用したとします。お客様へ納入後、2,000時間使用後に予期せず装置が故障してしまいました。検査の結果、組み込んだミラーが左の写真ようになっていました。問題は採用した標準的なミラーの変色によるものと結論付けられました。この架空の話では、会社は部品交換・技術者派遣そのた諸々で10,000ユーロ(約160万円)の修理代を被ることになります。しかしレーザーメーカーはこの状況を避けることができたのです。最初から劣化しないUV光学素子を採用していたら。
高いレーザー閾値はフェムト秒・ピコ秒のハイパワーレーザーの光学素子の長寿命を保証します。しかしUVレンジに関して言うとシンプルでなく、コーティングに疲労を引き起こし変色へと悪化します。この状況は壊滅的な損傷に至ってないとしても、ウルトラファーストUVレーザー装置の光学素子は使い物にならないのではないかという憶測につながります。
ソリューション
この架空の話が業界では現実の問題・事実なので、Optomanは装置のダウンタイムをなくすべく、10,000時間を超える照射に耐えうるウルトラファーストUVレーザー光学素子を開発しました。これにより10,000時間を超えて使用された場合でも、IBSコートされた光学素子は安定したスペクトル・高いレーザー損傷閾値など必要なパラメータをキープするだけでなく、変色などの悪影響も起こりません。さらに熱伝導性もアップします。257nmから343nmのフェムト秒レーザーの高反射・高透過率コーティングにに適用できる本技術は、低いメンテナンスコスト、ダウンタイム短縮、長寿命という恩恵をもたらし、その結果トータルの保有コストを引き下げています。
寿命予想
「LIDARIS」というレーザー損傷試験を行う機関にて、"非劣化"を証明するための測定テストを行いました。本テストでは、OptomanのウルトラファーストUVミラーは変色なしで「0.35J/cm2」に耐えることが証明されました。
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